2016年10月17日月曜日

全国労組交流センター民間交通運輸部会 2016年10月


タクシー労働者は団結しよう!
白タク合法化の今秋〜来年早々強行絶対反対!
タクシー労働者の安全と誇りを奪う
安倍政権の規制緩和攻撃を許すな!


11・6東京〜11・12ソウルの全世界共同行動へ

今こそストライキで闘う労働組合の復権を

 週刊の業界紙『東京交通新聞』は9月19日付1面トップで「ライドシェア“秋の陣”―政府検討機関に動き」との見出しを掲げ、自家用車ライドシェア攻撃の急ピッチな進展動向を大きく報じています。
 それによれば、①政府の規制改革推進会議(大田弘子・元経済財政担当相が新議長)の初会議が行われ、②内閣府主催の国家戦略特区をテーマとするシンポジウムが開かれ竹中平蔵・元経済財政担当相がシェアリングエコノミーの拡大を提起、③政府主催の未来投資会議の初会合が官邸で開催され議長の安倍首相が「これまでの成長戦略、構造改革を総ざらいし、(新たな対策を)断行する」と述べたと報じ、これら全てが9月12日の同じ日に行われたと言うのです。まさに昨年来の白タク合法化攻撃が風雲急をつげてきた様相です。
 安倍政権の規制改革の推進は、働き方改革(正社員ゼロ化=総非正規職化、解雇自由化、労働運動解体)と一体であり、改憲・戦争政策とも一体です。パククネ政権による労働改悪と米日韓の朝鮮核戦争策動と対決してゼネスト闘争に突入している韓国・民主労総の決起に応え、ストライキで闘う労働組合の復権をかちとろう。戦争が始まる前に阻止しよう! 11月6日東京~11月12日ソウルの全世界共同行動に集まろう。




白タク合法化に突き進む安倍政権許すな

 安倍政権は、従来の規制改革会議を「規制改革推進会議」へと戦闘モードに衣替えし、産業力競争会議は「未来投資会議」に統合して、積極推進派の竹中平蔵・慶応大学教授をその中心メンバーに据える形で続投させ、そして内閣官房主催の「シェアリングエコノミー検討会議」を軸にしながら「国家戦略特区」と「IT総合戦略」の体制下で、それら各会議体を同時並行・急ピッチに進めていく態勢を整えたわけです。

白タク合法化へ密室会議

 そうした臨戦態勢のもとで、ライドシェアや民泊、家事代行などの産業化・合法化を審議する「シェアリングエコノミー検討会議」は、7月8日の初会合以降9月14日の第5回会合まで夏休み返上の異例なハイペースで行われました。
 特に、9月12日の①②③の自家用車ライドシェア=白タク合法化にむけた会議やシンポジウム(前ページ記載)直後の、9月14日のシェアリングエコノミー検討会議・第5回会合は、傍聴をさせず、会議資料3点はすべて非公開、通常次回会議に提出される議事要旨(議事録)も出されないという完全な「密室会議」としてもたれました。そして、10月4日、第6回会合において「中間報告書(案)」が出されたのです。まさに今秋の臨時国会か来年の通常国会での法制化が目論まれているのです。
 「白タク合法化」の突破口をなす法律が既に「改正国家戦略特区法」として本年5月27日に成立しています。それは当面、①公共交通空白エリアでの外国人観光客らを、②特定非営利活動法人が自家用車で有料送迎するという条件付きで、「自家用車有償観光旅客等運送」が道路運送法の特例の形で制度化されました。しかしこうした限定条件は、いずれ「規制緩和」されるに違いないと私たちは当初から警鐘をならしてきました。アベノミクス総破綻もとで、全面的な白タク合法化の推進が「シェア・エコ検討会議」を軸にしながら、現実に急テンポで推進されているのです。

極反動・大田、竹中を前面に

 そして注目すべきは、戦闘モードに衣替えした「規制改革推進会議」の新議長に据えられた大田弘子・元経済財政担当相(政策研究大学院大学教授)こそ、2007年の担当大臣在任中に東京地区の運賃値上げ申請に対して「経営努力が不十分」などと言いなして反対し7月値上げ実施予定を12月実施に遅らせた反動的前歴の持ち主です。記憶している仲間も多いと思うが、タクシー労働者にとっては正に「天敵」とも言うべき輩です。
 いずれも元経済財政担当相であり、悪名高い規制緩和の積極推進派である竹中平蔵・太田弘子。この二人は学者という肩書きで、政府の悪政を推進する「御用学者」です。この両人をライドシェア合法化にむけた審議体の主要ポジションに据えている安倍自民党政権は、改憲・戦争推進の権化として弾劾と打倒対象であるのみならず、白タク合法化絶対阻止のためにもタクシー労働者にとって明確な打倒対象です。

「自己責任」を強調する中間報告

 シェアリングエコノミー・・(は)個人によるサービス提供が基本であり、従来型のプロによるサービスと異なり、アマチュアによるサービス提供であることが挙げられる。
 このため、シェアリングエコノミーの利用者は、より注意深く、賢く、サービスの目利きをする必要がある。このように、シェアリングエコノミーにおいては、利用者のいわゆる「自己責任」の度合いが従来型サービスの提供を受ける場合より高く (以下略)

白タク合法化は団結破壊、労組解体攻撃だ

 自家用車を使って有償で利用者をスマホ配車するライドシェア(相乗り)仲介企業としてウーバー・テクノロジーズ社が米国サンフランシスコで創設されたのは2009年です。それ以来わずか数年で米・欧・インド・中国などに進出し、今や全世界を覆う勢いで拡大しています。しかし、IT企業によるシェアリングエコノミー(共有型経済)政策に基づくライドシェア合法化は全てを個人請負化することであり、これはタクシー労働者の団結破壊、労働組合解体攻撃にほかなりません。これこそタクシー産業における「究極の規制緩和」「極限的な安全破壊」というべき攻撃です。

全世界でウーバー反対の闘い

 それゆえ、世界で約60カ国・300都市以上(2015年現在)でウーバーのライドシェアが広がる中で、根強い反対運動が巻き起こっています。自家用車ドライバーによる乗客に対する誘拐・レイプ・暴行事件や事故などに伴う補償問題をめぐる訴訟が多発し、当然これを禁止・規制する行政や司法の命令が多数出されています。2014年10月パリ地裁で違法判決、同11月米・ネバダ地裁で仮差止命令、同12月インド・デリー首都圏で業務停止命令、2015年3月フランクフルト地裁ではドイツ全土での提供禁止命令、同年8月ブラジル・リオ市で営業禁止法案承認・・・等々が国交省資料で明らかになっています。
 にもかかわらず三木谷・楽天社長(新経済連盟代表理事)や安倍自民党政権は経済成長戦略にとって有用だとして、日本でもこれを全面的に導入しようとしているのです。全てをIT産業のビジネスチャンスの視点でしか見ない輩が推進する白タク合法化攻撃は、乗員・乗客の安全無視として弾劾されるべきです。そして何よりも、私たちタクシー労働者の安全・確実・迅速の誇りある運転労働に対する冒涜として徹底弾劾されるべきではないでしょうか。




フランスのタクシー労働者のように
ストライキで闘おう

 では、白タク合法化による安全と団結破壊、労働組合解体攻撃に対決し、これを絶対阻止するために今いかに闘うべきでしょうか。私たちはストライキで立ち上がっているフランスのタクシー労働者のように闘うことだと思います。今年1月26日「1200人のタクシー・ドライバーがストライキ」を行い、ライドシェア仲介企業のウーバーに抗議して「パリの主要道路が封鎖される事態に発展した」(英国・BBC放送)とか、「仏全土でゼネスト、タクシー運転手ら道路封鎖 デモ120カ所」との見出しで「2100人のタクシー労働者がストライキ闘争に立ち上がった」(AFP通信)と報じられています。

非常事態宣言ものともせず

 現在フランスではシリア・中東への空爆と非常事態宣言下で労働法制改悪を進める社会党・オランド政権に対する大規模なストライキ行動が連続的にたたかわれています。3月9日、高校・大学の学生団体が呼びかけ労働組合も賛同・呼応してフランス全土で50万人が立ちあり、労組・学生7団体共催の統一行動(3月31日)での120万人を頂点にパリと全国で毎月毎回数十万人規模でストライキ闘争がたたかわれています。5月19日には鉄道・航空・港湾・長距離トラックなどの労働者スト、25・26日には製油所や原発を含む電力労働者を含むゼネスト情勢に発展しています。直近では9・15バカンス明けストが全国110都市で17万人が決起し改悪労働法(7月に強行成立)の撤回を要求し闘っています。その一環としてタクシー労働者もウーバーが進めるライドシェア反対を掲げストライキ闘争に立ち上がっているのです。

労働者の武器は団結とストライキ

 白タク合法化絶対阻止のために、フランスのタクシー労働者のようにストライキを構えて闘う労働組合と産別労働運動を復権・再生していくことが不可欠です。東京・日比谷での「3・8白タク合法化阻止総決起集会」はハイタク労働8団体の共催として2500名の集会・デモとして取り組まれましたが、いずれの労働団体の発言からもそうした方針や道筋は全く示されませんでした。
 今年5月成立の「改正国家戦略特区法」(自家用有償観光客等運送の特例化)を突破口に、安倍自民党政権は「シェア・エコ検討会議」での急ピッチな審議を軸に今秋臨時国会か来年通常国会での法案化をもって全面的な白タク合法化を強行しようと目論んでいます。今や、タクシー業界や国交省の「白タク合法化反対姿勢」に依拠した労働組合の運動では断じてなく、「フランスのタクシー労働者のようにストライキで闘おう」というタクシー産別の労働組合運動を創出・再生していくことです。




「初乗り短縮」は多忙化・労働強化への道

 白タク合法化攻撃と同時進行で、東京特別区・武三地区の初乗り2㌔=730円の運賃が初乗り1㌔強=410(460)円に短縮・値下げされようとしています。私たちタクシー労働者が反対する中、それを完全に無視する形で今年中にも実施を強行する段取りです。
 国土交通省は、今年4月に申請開始された新運賃申請数が台数ベースで7割を超えたとして、6月4日初乗り運賃を約1キロ410円程度に引き下げる方向で審査を開始することを明らかにしました。国交省はそれに向け、すでに今年7月と8月に実証実験を行いました。

営収減を会社は補償するのか?

 推進勢力の旗振り人・川鍋日本交通会長(東京ハイタク協会長)は、①白タク合法化の外圧に抗するためにも利用者のニーズと利便性に応える業界の自助努力が必要だとか、②お年寄りなどの「ちょい乗り」需要を増やせるとか、③2㌔走れば現行の730円に並ぶ設定だから運賃引き下げではない等々と言いつくろっています。
 しかし「業界の自助努力」と言いますが、右の図の斜線部分=2キロ未満の営収減は、その分は会社が負担するのですか? 実際は、現場のタクシー労働者が負担させられ、新運賃は多忙化・労働強化につながることは目に見えています。

距離短縮運賃は失敗してきた

 1997年当時、初乗り2㌔660円時代の東京で、コンドル・グループを含む16社1893台が初乗り1㌔340円の距離短縮・値下げ実施で運行したが2002年までに全て元に戻した失敗事例があります。短距離の運賃が安くなることから「ちょい乗り」需要が増えるなどと言う主張も含めて、「初乗り距離を短縮するだけで運賃引き下げではない」とする川鍋・日交社長らの主張は全て詭弁です。初乗り2㌔以内の乗客回数は昼間・郊外では35%(東タク協調査)にもなるというデータもあり営収減は明白です。
 そもそも初乗り2㌔の距離を短縮すること自体が大問題です。初乗り距離を2㌔とする運賃システムは戦後ほぼ一貫して踏襲されてきました。1962年から4年間の初乗り1・6㌔90円、1973年から数年の同1・8㌔240円(350円)時代を除いて全て初乗り2㌔とされてきました。

初乗り短縮は安全の崩壊へ

 交通運輸業務では安全運行が何よりも最優先です。それにふさわしい労働条件確保のためにタクシー労働者の長い闘いの中でその運賃システムは確保・獲得されてきた地平です。歴史的に意味ある慣行です。その破壊(運賃引き下げ)は間違いなく労働強化と減収(賃下げ)となり安全崩壊に直結します。
 したがって初乗り距離短縮運賃は安全・確実・迅速運行をモットーとするタクシー労働者の誇りを踏みにじる暴挙であり、白タク合法化攻撃と一体の攻撃です。労働者の底力を発揮して絶対阻止あるのみです。ともに闘いましょう。

全国30数万のタクシー労働者は、いま本娘で怒っています

 タクシー業界は、リーマンショック以降そしてアベノミクスの破綻が目に見える形で進行する中で、タクシー利用者が激減し営業収入はピーク時から、全く回復していません。その結果タクシー労働者の待遇は、低賃金・長時間労働の厳しい状況が長くいまも続いています。「失業者の受け皿」と言われていた業界は、今や「食べていけない・生きていけない」業界へと変貌しています。
 タクシー業界は殆どが完全歩合賃金制度なので、多くの仲間は自らの所得を高めようとして、休憩・仮眠時間等を削り労働時間を延長して働いています。大袈裟でなく命を削りながら労働しているという状況です。それは、他産業に比べて現役労働者の死亡率が高いことや、東京都内においてはタクシー絡みの死亡事故が増えていることにも現れています。軽井沢バス事故や広島山陽道トンネルでの事故は、同じようにハンドルを握る交運労働者として他人事ではありませんし、みな明日は我が身だと感じています。

 そして、この間タクシー業界においては、「ライドシェア=白タク合法化」と「初乗り短縮運賃」攻撃が出てきています。これは「命より金」の新自由主義=規 制緩和攻撃でありタクシー労働者にとっては、より一層生活を脅かされる攻撃としてあります。絶対に阻止しなければなりません。 しかしながら、私の組合の体制内派労働組合含め既成の労働組合は、「国交省頑張れ」「資本と共に闘う」という論理でタクシー労働者の自己解放的決起を抑え込もうとしています。そしてストライキは時代にそぐわないと公言しています。
 問われているのは、私自身が東京7万全国30数万のタクシー労働者の誰よりも「安倍打倒」の怒りの声をあげて闘いの先頭に立つことです。そして既成の労働組合を反面教師として、「闘うストライキ」の復権を何としても勝ちとらなければいけないと思います。〈東京タクシー労働者〉




交通運輸部門での規制緩和は大惨事に直結!

今年1月「軽井沢スキーバス惨事」

 今年1月15日未明、軽井沢で乗員・乗客15人が死亡するという重大なバス転落事故が起こりました(写真)。
 2002年のタクシー事業における規制緩和強行によって事故、客の奪い合い、労働強化、健康被害が続出しました。これに(先立つ2000年、貸切バス事業でも「許可制から認可制」への規制緩和が強行されました。その結果、膨大な新規参入がなされ99年当時の2336社から2014年の4477社へとほぼ倍増しました。過当競争・ダンピング・法令違反・安全崩壊・重大事故という連鎖は、まさに起こるべくして引き起こされたのです。
 2012年の関越道バス事故以降、400キロ超の夜間長距離運行のドライバー2人体制や運行料金の下限基準が定められたりしていますが、そうした弥縫策のマヤカシが今回の大事故で劇的に暴露されたのです。
 スキーツアーを企画した旅行会社は、国が定めた約27万円の運行料金の下限を大幅に下回る約19万円で発注。その結果、「元請けの旅行会社」→「下請けのバス会社」という外注化構造ゆえに弱い立場の零細バス会社によるダンピング競争が横行し、バス運転手の低賃金化・労働条件の劣悪化が進行したのです。2001年度のバス運転手の平均年収542万円は、2014年度には455万円にまで低減化しています。かつて全産業平均を上回っていた年収が今では逆に約90万円下回っています(タクシー労働者の年収は392万円弱でもっと低賃金です)。
 利益優先・安全無視のバス会社と旅行会社は厳しく弾劾されなくてはなりません。その上で何よりも、こうした安全崩壊の事態が目に見えているにもかかわらず、次々と安全破壊の規制緩和を強行し続けてきた歴代の自民党政権による新自由主義政策こそ徹底的に断罪されるべきです。
 トラック部門での規制緩和攻撃はもっと早い1990年施行の「物流2法」に始まっています。その結果、一部大手運送会社のもとでの下請け・孫請けが乱立する過当競争とダンピングが横行し、中小零細企業のドライバーがいかに過酷な運行を強いられているかは目にあまるものがあります。

今年3月「トラック多重衝突惨事」

 今年3月17日早朝、東広島市の山陽道トンネルでのトラック運転手の居眠り運転による多重衝突事故が発生し2人死亡・67人負傷の大惨事が、トラック労働者の過労運転実態をあらためて突き出しました。逮捕されたトラック運転手は、前日の16日午後5時45分に埼玉県川口市の営業所を出発して17日午後1時までに福岡県に荷物を届け、そのあと大阪に寄って戻ってくる5泊6日の運行計画だったとされています。17日午前7時25分のトンネル事故前は、「途中のサービスエリアで数時間寝た」だけです。長距離トラックの運行実態はこれが通常パターンです。過労運転によって引き起こされた典型的な事故というほかありません。
 タクシーやバス、トラックなど交通運輸部門における新自由主義の規制緩和、それによる安全破壊は重大事故・大惨事に直結することを私たちは肝に銘じたいと思います。

一切の出発点=国鉄分割・民営化攻撃

 こうした規制緩和攻撃の一切の出発点は、1987年の国鉄分割・民営化でした。「戦後政治の総決算」を掲げて登場した自民党・中曽根政権の時代です。当時の国鉄職員40万人のうち20万人が職場を追われ最終的に1047名が解雇されました。それ以来、利益優先・安全無視のJR体制への移行のもとで、2005年4月のJR西日本・福知山線における尼崎列車事故(107人死亡)を頂点にして、JR北海道や九州を最先端に全国各地でのJR事故や運行の乱れが日常茶飯事化しています。
 今年3月の山陽道トンネル事故での2人、1月の軽井沢バス転落事故による15人、2012年4月の関越道バス事故での7人、そしてJR西日本における2005年尼崎事故での107人等々の尊い命は、全て新自由主義の規制緩和によって虐殺されたのです。これこそが、資本主義社会の最後の延命政策である新自由主義攻撃が行き着く凶暴性の実態です。
 交通運輸労働者は生き抜くために、こうした社会の根本的変革と打倒のために、今こそ立ちあがろうではありませんか。

投稿 北海道のタクシー労組
闘いなくして安全なし!


 北海道のAタクシー労組は4月、会社が「今年からスタッドレスタイヤを履きつぶすまで、夏タイヤには取り替えない」と一方的に決めたことに対して直ちに大衆団交をよびかけ、会社決定を撤回させました。
 北海道では、国鉄の分割・民営化によるJR北海道の安全崩壊=重大事故が続発しています。これはタクシー労働者にとっても他人事ではありません。JRの民営化の教訓は「闘いなくして安全なし」です。組合は「人様の生命を預るタクシーが、タイヤ代をケチって“スタッドレスタイヤを履きつぶす”なんて、それで事故が起きたら誰が責任を取るんだ」「 会社はタクシーの仕事を舐めているのか」「私たちタクシー労働者は仕事に対する誇りを失ってはいない。どうせやるなら客に感謝される仕事をしたい。安全に1日の仕事を終えたい。タイヤは安全の基本だ、こんな危険な車を運行させるわけにはかない」と労働者の誇りにかけて阻止すると宣言しました。労働者の怒りの決起に会社は決定を撤回し、夏タイヤへの交換を勝ち取りました。




11月東京ーソウル国際共同行動の呼びかけ

 闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう、と訴えて開催してきた11月労働者集会は、今年で19回目を迎えます。始まりは1998年5月28日、国鉄1047名解雇撤回闘争に下された反動判決でした。戦後最大の労働運動解体攻撃と言われた国鉄分割・民営化―国家ぐるみの不当労働行為を正当化し、法的責任はJRには及ばないと断じたのです。〝こんなことがまかり通ったら、組合つぶしも首切りもやりたい放題になる〟という危機感と怒りが私たちを結びつけました。

 その闘いは、2003年イラク戦争を契機に、労働者の国際的な連帯闘争に発展しました。そして今年、本集会はさらに大きく飛躍しようとしています。

 ともに闘ってきた韓国・民主労総ソウル地域本部から、「6日の東京と、翌週にソウルで開かれる労働者大会をひとつの連続した行動として世界に発信しよう」との提案が行なわれ、「韓日労働者から世界の同志たちへ!」の呼びかけを発することになったのです。世界を覆う新自由主義攻勢、東北アジアで高まる戦争の危機に対し、11月集会を全世界の労働者の共同行動に発展させよう。

 安倍政権は改憲と戦争に向けて突き進んでいます。さらに、「働き方改革は安倍内閣の次の3年間の最大のチャレンジ」と語り、「正社員ゼロ・解雇自由」社会をつくろうとする雇用・労働政策の歴史的転換攻撃を進めています。それは労働運動の解体を狙うもうひとつの改憲攻撃です。
 世界中で闘いの炎が燃え上がっています。韓国・民主労総は、執行部の多くを獄中に奪われながら、パククネ政権の労働大改悪に対し1年以上にわたるゼネストを闘いぬいています。フランスでも労働法制改悪への5カ月に及ぶゼネストが闘われました。戦争・新自由主義・労組破壊攻撃との闘いが、全世界の労働者の共通課題になっています。
 福島原発事故や戦争法強行に対し国会前を埋め尽くした怒りの声、沖縄の闘いは、日本でも時代への危機感と怒りが社会に満ち溢れていることを示しました。国鉄分割・民営化攻撃によって一旦は打ち砕かれた労働運動を再生させようと訴え続けてきた努力が、いよいよ時代と噛み合うときがきたのです。
 私たちは、昨年6月の最高裁決定で、国鉄分割・民営化攻撃の根幹をなす職員の選別基準が不当労働行為意志の下に作られていたことを明らかにさせました。しかも、それを指示していたのはJR設立委員長だったのです。「JRに法的責任なし」は全くのウソでした。国鉄分割・民営化は国家的不当労働行為だったのです。

 いよいよ反撃に立つときです。国境をこえた労働者の団結で改憲と戦争を止めよう。労働法制解体を許すな。国鉄1047名解雇撤回。
甦れ! 労働組合、取り戻そう! 団結。あらゆる職場に闘う労働組合をつくろう。

〈呼びかけ〉全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割/民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)




全国労働組合交流センター民間交通運輸部会とは?

全国労働組合交流センターは、1989年2月結成、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)を先頭に、たたかう労働組合を甦らせようと全国で活動しています。民間交通運輸部会は、交流センターの中の民間のタクシー・バス・トラックなどで働く産別労働者の集まりで、次の4方針で闘っています。
①人間らしく生きていける労働・社会をつくるために、労働組合をつくり闘う。
②出来高払いの歩合制賃金、足切り制度撤廃、不法不当な乗務員負担の撤廃。
③労働者への競争と分断、支配・管理・抑圧の強化、処分・首切りを許さず、団結を守る。
④「事故は労働者の責任ではない」という反合理化・安全闘争を重視した実践活動。

パンフレットへのリンク